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プロジェクトマネジメント(ISO 21500に基づく11項目)

マネジメント系 / プロジェクトマネジメント

この単元の範囲

基本情報技術者試験のシラバスは、大分類5「プロジェクトマネジメント」の下に中分類14「プロジェクトマネジメント」を置いている。この中分類は、国際規格 ISO 21500(日本では JIS Q 21500 として規格化)の枠組みに沿って構成されており、プロジェクトマネジメントの基本概念を扱う項目1「プロジェクトマネジメント」に続き、項目2〜11では「統合・ステークホルダ・スコープ・資源・時間・コスト・リスク・品質・調達・コミュニケーション」という十の対象群を1つずつ掘り下げる、計11項目の構成になっている。項目2以降はいずれも「対象群が含むプロセス」→「主要なインプット及びアウトプット」→「ツールと技法」という共通の3段構成で用語が並んでいるため、この型を覚えてしまえば残り10項目は同じ読み方で学習を進められる。

1. プロジェクトマネジメント

プロジェクト・プロジェクトマネジメントとは何か

プロジェクトとは、独自の製品・サービス・成果を生み出すために実施される、開始と終了が明確に定められた一連の活動である。日々繰り返される定常業務(オペレーション)とは異なり、「有期性(終わりがある)」と「独自性(毎回内容が異なる)」を併せ持つ点が特徴である。たとえば「新しい会員管理システムを半年で構築する」という取り組みはプロジェクトだが、構築後の「日々の運用保守」はオペレーションであり、プロジェクトとは区別される。

プロジェクトマネジメントは、このプロジェクトを成功させるために、計画・体制づくり・実行・進捗確認・修正といった活動を適用することを指す。プロジェクトを取り巻く社内制度や利害関係者の状況を指すプロジェクトの環境、経営層がプロジェクトの意思決定や説明責任の枠組みを定めるプロジェクトガバナンス、立ち上げから終結までの一連の局面を指すプロジェクトライフサイクル、予算・納期・品質などプロジェクトを縛る条件であるプロジェクトの制約もあわせて押さえておきたい用語である。また、標準的な手順やひな形をそのまま適用するのではなく、プロジェクトの規模・特性に応じて過不足なく調整することをテーラリングと呼ぶ。国際規格ISO 21500を基に技術的内容の変更なく制定された日本産業規格であるJIS Q 21500や、米国PMI(Project Management Institute)が発行する知識体系ガイドであるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)は、プロジェクトマネジメントの標準的な考え方の代表例として名称を覚えておくとよい。

プロセスの三つの主な種類

プロジェクトで実施されるプロセスは、成果物を直接生み出す引渡しのプロセス(設計する、作る、テストするなど)、プロジェクト全体をマネジメントするプロジェクトマネジメントのプロセス(計画する、進捗を確認する、変更を管理するなど)、そして両者を下支えする支援のプロセス(品質保証、リスク管理など)の3種類に整理される。

五つのプロセス群

プロジェクトマネジメントのプロセスは、時系列に沿って立ち上げのプロセス群(プロジェクトを開始する)→計画のプロセス群(進め方を具体化する)→実行のプロセス群(計画を実施する)→管理のプロセス群(進捗を監視し是正する)→終結のプロセス群(正式に完了させる)という五つの群に分類される。管理のプロセス群は実行のプロセス群と並行して繰り返し行われる点がポイントである。

十の対象群

一方、プロジェクトマネジメントを「何を管理するか」という観点で分けたものが十の対象群であり、統合の対象群・ステークホルダの対象群・スコープの対象群・資源の対象群・時間の対象群・コストの対象群・リスクの対象群・品質の対象群・調達の対象群・コミュニケーションの対象群からなる。この中分類の項目2〜11は、この十の対象群をそのまま章立てにしたものである。

プロジェクトの体制と自己管理

プロジェクトの体制としては、プロジェクトに資金や権限を与えるプロジェクトスポンサー、プロジェクト全体の遂行責任を負うプロジェクトマネージャ、マネージャを支えるプロジェクトマネジメントチーム、実務を担うプロジェクトチーム、そして複数プロジェクトを横断して標準化・支援を行うPMO(Project Management Office)が登場する。

また、プロジェクトメンバー一人ひとりに求められる自己管理として、作業計画立案・進捗管理・品質管理・コスト管理・リスク管理・変更管理・問題発見・問題報告・対策立案・文書化・コミュニケーションが挙げられている。これらはいずれも、プロジェクトマネージャだけでなくメンバー各自が日常的に実践すべき行動として位置づけられている点に注意したい。

2. プロジェクトの統合

「統合」の対象群は、他の九つの対象群の活動を一つのプロジェクトとしてまとめ上げる、いわば司令塔の役割を担う。プロセスとしては、プロジェクトの正式な開始を承認するプロジェクト憲章の作成、進め方全体を1つの計画にまとめるプロジェクト全体計画の作成、計画に沿って作業を進めるプロジェクト作業の指揮、進捗を監視・是正するプロジェクト作業の管理、計画からの逸脱を承認・拒否する変更の管理、フェーズやプロジェクトを正式に締めくくるプロジェクトフェーズ又はプロジェクトの終結、そして次のプロジェクトに活かすための得た教訓の収集が含まれる。

インプット・アウトプットとしては、依頼元の要求事項を記したプロジェクト作業規定書、それに基づき正式に発行されるプロジェクト憲章、進め方をまとめたプロジェクト全体計画(プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画)、変更を申請する変更要求とそれが認められた承認された変更、変更の履歴を記録する変更登録簿、計画とのずれを正すための是正処置、そして完了時にまとめるプロジェクト完了報告書プロジェクト又はフェーズの終結報告書得た教訓文書がある。

ツールと技法としては、比較の基準となる計画値を指すベースライン、変更要求の可否を審査する会議体であるCCB(Change Control Board:変更管理委員会)が代表的である。たとえば、開発途中で顧客から追加機能の要望が出た場合、担当者が独断で対応するのではなく、CCBで影響範囲・コスト・納期への影響を審査してから変更を承認する、という流れが典型例である。

3. プロジェクトのステークホルダ

「ステークホルダ」の対象群では、プロジェクトの成果に影響を受ける、または影響を与える関係者(発注者、利用部門、協力会社など)を洗い出し、良好な関係を保つための活動を扱う。プロセスは、関係者を洗い出すステークホルダの特定と、その関心・影響力に応じて働きかけるステークホルダのマネジメントの2つである。アウトプットとしては、洗い出したステークホルダの情報をまとめるステークホルダ登録簿があり、ツールと技法としては各ステークホルダの関心度・影響力を整理するステークホルダ分析が用いられる。たとえば「経営層は影響力が大きいが関心は限定的」「現場利用者は影響力は小さいが関心が高い」というように分類し、それぞれに適したコミュニケーション頻度・方法を決める、という使い方をする。

4. プロジェクトのスコープ

「スコープ」の対象群は、プロジェクトで「何を作り、何を作らないか」という作業範囲を定義・管理する。プロセスは、範囲を明確化するスコープの定義、成果物を階層的な作業単位に分解するWBSの作成、それをさらに実行可能な作業に落とし込む活動の定義、そして範囲の逸脱を防ぐスコープの管理からなる。

アウトプットとしては、範囲を文書化したスコープ規定書、作業を階層的に分解したWBS(Work Breakdown Structure)、各要素の内容を説明するWBS辞書、実行すべき作業を列挙した活動リスト、実績を記録する進捗データがある。用語としては、作業や成果物そのものを指すスコープ(作業及び成果物)、WBSの末端に位置する最小の管理単位であるワークパッケージ、当初合意した範囲が正式な変更管理を経ないまま少しずつ膨らんでいくプロジェクトスコープのクリープ(いわゆるスコープクリープ)が挙げられている。たとえば「Webサイト制作」というプロジェクトで、スコープ規定書に定めていない機能を依頼者の口約束だけで次々に追加してしまうと、まさにこのスコープクリープが発生し、納期・予算を圧迫する。

5. プロジェクトの資源

「資源」の対象群は、人(要員)や設備といったプロジェクト遂行に必要なリソースの確保・育成・管理を扱う。プロセスは、プロジェクトチームの編成、必要な人員・設備を見積もる資源の見積り、指揮命令系統を定めるプロジェクト組織の定義、チームの能力を高めるプロジェクトチームの開発、稼働状況を管理する資源の管理、そしてメンバーの動機づけや対立解消を行うプロジェクトチームのマネジメントからなる。

アウトプットとしては、必要な人数・スキルをまとめた資源要求事項、指揮命令系統を図示したプロジェクトの組織図がある。ツールと技法としては、「誰がどの作業に対してどんな役割・責任を持つか」を表形式で整理するRAM(Responsibility Assignment Matrix:責任分担マトリックス)、プロジェクト組織の階層構造を図示するOBS(Organizational Breakdown Structure:組織ブレークダウンストラクチャ)が用いられる。

6. プロジェクトの時間

「時間」の対象群は、作業の順序・所要期間からスケジュールを組み立て、進捗を管理する。プロセスは、作業同士の前後関係を決める活動の順序付け、各作業にかかる期間を見積もる活動期間の見積り、それらを組み合わせてスケジュールの作成を行い、実施後はスケジュールの管理で進捗を追う、という流れになる。

アウトプットとしては、作業の前後関係を表す活動順序、見積もった活動所用期間見積り、実行すべき活動リスト、納期などのスケジュールの制約、そして最終的なスケジュールがある。

ツールと技法は、この項目の中でも特に用語数が多い。見積り手法としては、過去の類似案件を参考にする類推見積り、統計的な関係式を使うパラメトリック見積り、楽観値・最可能値・悲観値の3点から算出する三点見積り、細かい作業を積み上げるボトムアップ見積りがある。作業の前後関係を分析するスケジュールネットワーク分析の代表的な手法として、所要期間の不確実性を統計的に扱うPERT、最も長い経路(プロジェクト全体の最短完了期間を決める経路)を求めるCPM(Critical Path Method:クリティカルパス法)がある。ネットワーク図の描き方には2種類あり、作業を矢印(アロー)で、結合点(イベント)を丸(ノード)で表す従来型のアローダイアグラムは「終了-開始(FS)」の依存関係しか表現できないのに対し、作業そのものを箱(ノード)で表すPDM(Precedence Diagramming Method:プレシデンスダイアグラム法)は「開始-開始」「終了-終了」「開始-終了」まで含めた多様な依存関係を表現できる、より柔軟な手法である。進捗を視覚化する代表的な図がガントチャートであり、節目となる時点を示すマイルストーンも併記されることが多い。スケジュールを短縮する技法としては、資源を追加投入するクラッシング、並行して進められる作業を同時に進めるファストトラッキングがあり、作業間に意図的に空ける時間であるラグ、前倒しで重ねるリードという用語も対になって出題されやすい。実績と計画の差異を金額換算で評価するEVM(Earned Value Management)もこの項目に含まれる。計画の粒度としては、プロジェクト全体を俯瞰する大日程計画表(マスタスケジュール)、工程ごとに詳細化する中日程計画表(工程別作業計画)、週単位まで落とし込む小日程計画表(週間作業計画)という3段階の使い分けがあり、実施結果は進捗報告として関係者に共有される。

7. プロジェクトのコスト

「コスト」の対象群は、プロジェクトにかかる費用の見積り・予算化・管理を扱う。プロセスは、コストの見積り、それを積み上げてプロジェクト全体の予算の作成を行い、実行中はコストの管理で予算超過を防ぐ、という3段階である。

アウトプットとしては、承認された予算、実際にかかった実コスト、完了までにかかると見込まれる予想コストがある。

見積りのツールと技法は時間の対象群と共通する部分が多く、類推見積り・パラメトリック見積り・三点見積り・ボトムアップ見積りが挙げられている。加えてソフトウェア開発特有の規模見積り手法として、画面数・帳票数などの機能規模から工数を見積もるファンクションポイント法、プログラムの行数(ステップ数)を基準にするLOC(Lines of Code)法、開発規模から工数・期間を見積もる代表的モデルであるCOCOMO(Constructive Cost Model)とその改良版COCOMOⅡ(Constructive Cost ModelⅡ)が挙げられている。実績評価には時間の対象群と同じEVM(Earned Value Management)が再登場し、比較の基準となるコストベースラインとあわせて、コストが計画通りに使われているかを定量的に確認する。

8. プロジェクトのリスク

「リスク」の対象群は、プロジェクトの目的達成を脅かす可能性のある不確実な事象を洗い出し、対応する。プロセスは、リスクを洗い出すリスクの特定、影響度・発生確率を評価するリスクの評価、回避・軽減・転嫁・受容などの対応方針を決めるリスクへの対応、継続的に監視するリスクの管理からなる。

アウトプットとしては、洗い出したリスクを一覧化するリスク登録簿、対応の優先度をつけた優先順位付けされたリスクがある。ツールと技法としては、影響度・発生確率をおおまかに評価するリスクの定性的分析技法と、金額や期間への影響を数値化して分析するリスクの定量的分析技法が挙げられている。たとえば「主要メンバーの離脱」というリスクに対して、発生確率と影響度を高・中・低で評価するのが定性的分析、離脱によって発生する追加コストを金額換算するのが定量的分析にあたる。

9. プロジェクトの品質

「品質」の対象群は、成果物・プロセスの両方が要求水準を満たすようにする活動である。プロセスは、目標とする品質基準を定める品質の計画、その基準を満たすプロセスが実行されているかを確認する品質保証の遂行、成果物そのものを検査する品質管理の遂行からなる。

アウトプットとしては、満たすべき水準を示す品質要求事項、それを実現する手順を定めた品質計画、実施状況を示す進捗データ、検査結果をまとめる検査報告書、不適合を是正する是正処置、再発を未然に防ぐ予防処置がある。ツールと技法としては、収集したデータをどう表現・分析するかを選ぶプロジェクトにおける品質管理測定値の活用(データ表現技法の選択など)が挙げられている。

10. プロジェクトの調達

「調達」の対象群は、プロジェクト内で対応しきれない製品・サービスを外部の供給者から調達する活動である。プロセスは、何をどのように調達するかを決める調達の計画、応募者の中から適切な相手を選ぶ供給者の選定、契約後の履行状況を管理する調達の運営管理からなる。アウトプットとしては、合意内容を記した契約書又は注文書があり、ツールと技法としては固定価格契約・実費償還契約などから適切な契約方式を選ぶプロジェクトにおける調達戦略(契約のタイプの選択など)が挙げられている。

11. プロジェクトのコミュニケーション

「コミュニケーション」の対象群は、プロジェクトに関する情報を関係者に過不足なく届ける活動である。プロセスは、誰に何をどう伝えるかを設計するコミュニケーションの計画、実際に情報を届ける情報の配布、状況に応じて方法を見直すコミュニケーションのマネジメントからなる。アウトプットとしては、進捗をまとめた進捗報告書、実際に配布された配布情報がある。

ツールと技法としては、質疑応答を伴う双方向コミュニケーション、受け手の確認を前提とせず一方的に送るプッシュ型コミュニケーション、受け手が自ら情報を取りに行くプル型コミュニケーションという3分類があり、具体的な手段として電子メールボイスメールテレビ会議紙面が挙げられている。また、誰から誰へどの経路で情報が流れるかを示すコミュニケーションチャネルという概念もある。関係者数が増えるとコミュニケーションチャネルの組合せ数は急激に増加するため、プロジェクト規模が大きくなるほど計画的な情報共有設計が重要になる。

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参考文献

  • IPA「基本情報技術者試験シラバス Ver.9.2」大分類5「プロジェクトマネジメント」中分類14「プロジェクトマネジメント」(p.63-68): https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/omgdg50000005kpe-att/syllabus_fe_ver9_2.pdf
  • JIS Q 21500:2018「プロジェクトマネジメントの手引」(日本規格協会 書誌情報。ISO 21500:2012を技術的内容の変更なく日本産業規格化したものとされる): https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS+Q+21500:2018
  • PMBOK(Project Management Body of Knowledge)概要(最新版は第7版、2021年8月発行とされる): https://ja.wikipedia.org/wiki/PMBOK

本資料は IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が公表する「基本情報技術者試験シラバス Ver.9.2」(大分類5「プロジェクトマネジメント」中分類14「プロジェクトマネジメント」、p.63-68)に基づく自作の解説テキストである。

  • シラバス本文の用語例・分類構成を参照しつつ、解説文・具体例は本資料著者(nomuraya-dojo)の独自作成である
  • 末尾の「オリジナル演習問題」は IPA 過去問を模倣・転記せず、本資料著者が独自に作成したものである
  • シラバスそのものの著作権は IPA に帰属する。原文は IPA公式シラバスPDF を参照すること
  • 本資料の利用にあたっては、IPAの著作権・利用規約に従うこと

考えてみよう

既定では正解・不正解の判定はしません。自分のペースで「答えを見る」を。採点してほしい場合だけ「採点してほしい」を押してください。

ある企業が、新しい基幹システムを1年間で構築する取り組みを立ち上げた。「プロジェクト」の特徴を説明する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 完成後のシステムを継続的に運用・保守する活動である

イ 開始と終了が明確に定められ、独自の成果物を生み出す有期的な活動である

ウ 毎年同じ手順で繰り返される定型的な業務である

エ 特定の期限を設けず、継続的に改善を積み重ねる活動である

解答:イ

解説: プロジェクトは「有期性(開始と終了が明確に定められている)」と「独自性(毎回異なる独自の成果物を生み出す)」を併せ持つ活動である。アは運用・保守という定常業務(オペレーション)の説明であり、プロジェクトとは区別される。ウ・エも繰り返し行われる定常業務の特徴であり、有期性を欠くためプロジェクトとは言えない。

プロジェクトで実施されるプロセスのうち、品質保証やリスク管理のように、成果物を直接生み出すのではなく、他のプロセスの実行を下支えする役割を持つものは、プロセスの三つの主な種類のうちどれに分類されるか。

ア 引渡しのプロセス

イ プロジェクトマネジメントのプロセス

ウ 支援のプロセス

エ 終結のプロセス群

解答:ウ

解説: プロセスの三つの主な種類は「引渡しのプロセス」(成果物を直接生み出す)、「プロジェクトマネジメントのプロセス」(プロジェクト全体をマネジメントする)、「支援のプロセス」(品質保証やリスク管理など、他のプロセスを下支えする)に分かれる。品質保証・リスク管理はこの「支援のプロセス」に該当する。エの「終結のプロセス群」はプロセスの種類ではなく五つのプロセス群の1つであり、混同しないよう注意する。

プロジェクトのスコープマネジメントに関する記述のうち、適切なものはどれか。

ア WBSは、成果物を生み出すために必要な作業を階層的に分解して整理したものである

イ プロジェクトスコープのクリープとは、当初のスコープ規定書どおりに作業が計画的に完了することを指す

ウ ワークパッケージとは、プロジェクト全体のスケジュールを1枚の図にまとめたものである

エ スコープ規定書は、プロジェクトのコスト見積り結果のみを記載した文書である

解答:ア

解説: WBS(Work Breakdown Structure)は、成果物・作業を階層的に分解して整理した構造図であり、その末端の管理単位をワークパッケージと呼ぶ。イは誤りで、スコープクリープとは正式な変更管理を経ずに作業範囲がなし崩し的に拡大してしまう現象を指す。ウはガントチャート等の説明であり誤り。エはスコープ規定書ではなく予算関連文書の説明であり誤り。

プロジェクトのスケジュール作成において、複数の作業の依存関係をネットワーク図で表し、プロジェクト全体の所要期間を決定づける、最も所要期間の長い作業経路を求める技法はどれか。

ア WBS

イ CPM(クリティカルパス法)

ウ ステークホルダ分析

エ RAM(責任分担マトリックス)

解答:イ

解説: CPM(Critical Path Method)は、作業の依存関係をネットワーク図(PDM等)で表し、開始から終了までの経路の中で最も所要期間が長い経路(クリティカルパス)を求める技法である。クリティカルパス上の作業が遅れると、プロジェクト全体の完了日もそのまま遅れる。WBSは作業分解構造、ステークホルダ分析は関係者の影響力・関心度の分析、RAMは役割分担の一覧表であり、いずれもスケジュールのネットワーク分析の技法ではない。

プロジェクトの実行中に、顧客から当初のスコープ規定書に含まれていない追加機能の要望が寄せられた。プロジェクト統合マネジメントの考え方に沿った対応として、最も適切なものはどれか。

ア 担当者の判断で直ちに追加機能の開発に着手する

イ 変更要求として提出させ、CCB(変更管理委員会)で影響範囲や妥当性を審査したうえで承認可否を判断する

ウ 追加機能の要望はプロジェクトの範囲外なので、一切記録せずに口頭で断る

エ プロジェクト完了後に、全ての変更要求をまとめて一括処理する

解答:イ

解説: プロジェクト統合マネジメントでは、スコープの変更は「変更の管理」プロセスを通じて扱われ、変更要求はCCB(Change Control Board)のような体制で影響範囲・コスト・スケジュールへの影響を審査したうえで承認・却下を判断する。担当者個人の独断による着手(ア)や記録を残さない拒否(ウ)は変更管理のプロセスを経ておらず不適切であり、変更を都度審査せず先送りする(エ)もスコープクリープや手戻りのリスクを高める。

力試ししたい方は クイズ形式の演習(任意) もあります。読むだけでも十分です。